AI・データ活用技術による建設ナレッジの活用


社内に蓄積されたデータ「建設ナレッジ」の活用

建設業界において企業内には長年培われてきたノウハウや知見、手掛けた多数の物件の数々等、今後の業務を進めて行くにあたり有益な情報が満ち溢れています。

たとえば、 RC10階建てのオフィスビルの設計、施工を担うとなった場合に過去に手掛けた物件に同等の条件のものがあるというケースは少なくないと思われます。その過去に手掛けた際の気をつけなければならないポイント、設計のノウハウ等々は社内のどこかにあり、とても参考となる情報です。

しかし、それらの情報は、膨大なファイルが格納された社内サーバーであったり、手掛けられた中堅、ベテランの方の頭の中にあったりします。担当される方は、その膨大なファイル群の中から参考となる情報を探し出す、もしくは担当された中堅、ベテランの方を見つけ出し、ヒアリングを行う等の行動をおこす必要があります。これらの作業は、少なくない工数を要すると思います。

こうした課題を解決するためには、社内に蓄積されたデータを最大限活用し、ナレッジを共有する仕組みが必要です。社内ナレッジ活用の仕組みを構築することにより、情報を探す時間を短縮できるだけでなく、付加価値の高い提案や設計品質の向上、ベテランのノウハウ継承につなげることができます。


ナレッジ活用の仕組み構築で期待される効果

ナレッジ活用の仕組み構築で期待される効果


建設ナレッジ活用に重要な要素技術

建設ナレッジ活用のために特に重要な3つの技術要素をご紹介します。

技術要素①|類似物件の検索による留意点のレコメンド

ナレッジ活用の仕組みの一つとして「過去の類似物件の事例検索」があります。諸条件から絞り込み、類似した過去事例をリストアップすることができます。

単に物件の概要情報が検索できるだけでなく、デザインレビュー(DR)記録や質疑回答書、不具合記録などの情報を紐づけます。これにより留意点や対策事例を確認でき、不具合発生などのリスク低減につなげることができます。

過去の類似物件検索イメージ

過去の類似物件検索イメージ


技術要素②|図面認識アルゴリズムによる図面情報の活用

深層学習と画像処理により、過去の設計案件の図面から情報を抽出します。平面図から面積や部材の拾い出し、数量拾い、部屋認識などが可能で、手作業では膨大な時間が掛かる業務を半自動化することができます。


図面認識アルゴリズムによる図面情報の抽出例

図面認識アルゴリズムによる図面情報の抽出例


構造計画研究所では、独自の建築分野向けの図面認識アルゴリズムを確立しているため、抽出したい情報のヒアリングや既存データの学習を通して高い精度で情報抽出を実現します。PDFやDWGなど、さまざまなフォーマットに対応でき、CADシステムへの連携も可能です。

※認識精度については、対象とする図面の内容により異なります。精度向上のためにPoC等を行い、目標を定めた上でどのように組み込むかを検討します。


技術要素③|生成AI等による対話的な検索

生成AI等の活用による自然言語での検索を行います。ChatGPTの普及により一般化しつつある対話式の検索は、曖昧な切り口から精度を上げて行くのに適したインターフェースです。従来のキーワード検索と併用することで更なる効率化が期待できます。

一般公開されている情報に加え、社内基準やマニュアル類(設計、施工、品質等)などの社内独自の情報を読み込むことで、自社オリジナルの回答を含む対話的な検索が可能になります。

生成AI等の活用による自然言語での検索イメージ

生成AI等の活用による自然言語での検索イメージ


建設ナレッジDB構築のポイント

ナレッジ活用の仕組みを構築するには、様々な目的や用途、様々なデータ構造やファイル形式で蓄積された社内のデータを有機的につなげることが重要です。そのためには、最適なデータ変換・処理など、様々な工夫が必要となります。


個別最適化された社内データベースの紐づけ

社内に存在する様々なデータベースは、営業、設計、施工、品質、事業所など、それぞれの組織の業務上の目的に沿って作られているものであり、それらを完全に統合することは非現実的です。

すでにある各種DBはできる限りそのまま活用でき、各DBをうまく紐づけることにより、ナレッジ活用という共通の目的をもったナレッジDBを構築します。


建設業ならではのデータ特性への対応

社内DBに保管されているデータは、CADや文書、図面込みのドキュメント、写真、表、リストなど、多様な保存形式が混在しています。これらのデータ構造やファイル形式に応じた最適なデータ分析・処理技術を施します。

そうすることで、ナレッジ活用という共通の目的をもったデータ構造として、利用者にとって有益な情報となると考えています。

建設ナレッジDB構築のポイント

建設ナレッジDB構築のポイント


構造計画研究所の建設ナレッジ活用支援

構造計画研究所では、創業以来、培ってきた建設分野での構造設計や数値解析、システム開発・運用の実績を生かして、AI・データ活用技術を組み合わせて課題解決へ向けて、ご支援いたします。

建設ナレッジ活用に向けて、ゼネコン様、建材メーカー様での豊富な実績も踏まえ、お客さまの業務や目的に沿ったご提案をしています。

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