施工段階解析
建築構造物は施工工程によって層別か何層か毎に施工が行われ、かつ、同じ施工段階でも施工順序と載荷時期が違う場合があります。したがって、構造物に荷重を同時に載荷する一般的な構造解析の結果は、実際の構造物の挙動と大きな差が現れる場合があります。
考慮事項
施工工程による影響
下図の2階規模の骨組で、1階の固定荷重が発生する時点では、1階の部材力は2階の部材による影響を受けません。しかし、一般解析の場合は1階の部材力を1階と2階の垂直部材が分担するので誤差が発生するようになります。
一般解析
施工段階解析
30層 frame構造の梁の曲げモーメント
コンクリートの乾燥収縮とクリープによるたわみの影響
40層 Steel frame + RC core構造の施工段階
時間経過に伴って進行する乾燥収縮とクリープによる絶対たわみ量は、弾性たわみ量に比べて約2倍程度大きく現われます。したがって高層建物の場合、コンクリート部材の非弾性たわみ量を無視すると誤差が発生するようになります。非弾性たわみ量を考慮し、独立部材でない全体構造物のFrame actionによる応力再分配を考慮すると正確なたわみ補正量と応力を算定することができます。