特性化震源モデルの構築

地震災害の軽減のためには、将来発生しうる断層が活動した時の地震動を事前に予測しておくことが非常に有用です。地震動予測には震源特性、伝播経路特性、サイト増幅特性の各特性を適切にモデル化することが必要となり、震源特性については破壊伝播効果やすべり量、応力降下量など地震災害に直接結びつくような情報が多くあります。今日の地震動予測では、過去の地震の複雑な震源の情報を単純化した「特性化震源モデル」をもとに、震源モデルを構築することが一般的です。このことから、過去の地震の特性化震源モデルを構築・蓄積することは、今後の高精度な地震動予測のためには必須と言えます。

弊社では、過去に発生した地震の特性化震源モデルの構築を行います。

特性化震源モデル構築の概要

過去に発生した地震に関して、震源インバージョン等により得られた震源モデルを参考に、強震動の特性を失わないように観測記録を再現できるような特性化震源モデルの構築を行います。

特性化震源モデルの構築の概要

キーワードの補足説明

特性化震源モデル

断層面上の不均質震源モデルを背景領域とアスペリティに2元化し、地震災害に結びつくような強震動の特性を失わない震源モデルのこと。強震動予測レシピの震源モデルでも特性化震源モデルが採用されています。

アスペリティ

断層面上のすべり量や応力降下量が大きい領域をことで、アスペリティからは地震災害を引き起こすような大きな揺れを起こす地震波が放出されると考えられています。2011年東北地方太平洋沖地震では3~5個のアスペリティを持つ特性化震源モデルが提案されています。