地震PML評価

PMLとは

PMLはProbable Maximum Loss(予想最大損失率)の略称で、もとはアメリカの火災保険で用いられた指標です。

地震大国である日本では、不動産の証券化や売買で求められるデューデリジェンスにおいて、エンジニアリングレポート(ER)に記載すべき評価項目の一つに地震リスク評価を挙げており、そのリスク評価指標の一つとしてPMLが用いられるようになってきました。

また、PMLは地震保険付保の判断や新築時の設計クライテリアとしても用いられるようになってきています。データセンターにおいては、地震に対する安全性を保証する指標としてPMLが用いられています。

PMLは、地震時の建物の被害を数値化したものであり、再調達価格(同等の建物を新築するのに必要な費用)に対する物的な被害額の比として表されます。ただし、どのような地震に対する被害なのかや、被害のばらつきをどのように表現するのかなどの定義が統一されていません。現在よく用いられているものとして、日本建築学会ではPML1、PML2、PML3の3種類を定義しています。

表:PMLの定義(日本建築学会による)と想定する被害のイメージ

PMLの定義(日本建築学会による)と想定する被害のイメージ

PML評価の流れ

PML評価では、建物性能(耐震性)だけでなく立地周辺の地震環境(地震の発生確率や規模)、立地地点での地盤増幅(地盤の揺れやすさ)も考慮して地震被害を推定します。


PML評価の流れ

PML評価の流れ


本来、地震被害は完全に予測できるものではなく、例えば材料特性や施工品質のばらつきなど様々な不確実な要素が合わさることにより、推定される被害と実際に起きる被害とで差が生じるものです。

評価手法に関しても、地震動の大きさの推定精度、地震力が作用した場合の建物の揺れの大きさの推定精度、ある揺れの大きさとなった場合の建物の被害の大きさの推定精度は完全なものではなく、評価結果にはばらつきが生じます。

PML評価では、このような不確実な要素を考慮して評価しています。

PML評価レベル

構造計画研究所では、PML評価レベルを3種類用意しています。特にご指定がなければ、レベル2をご提案しています。なお、一般に、レベルはフェーズと言われることもあります。

※再調達価格:同等の建物を新築するのに必要な費用
【以下の大分類での内訳】
建築工事/電気設備工事/給排水衛生設備工事/空気調和設備工事/
昇降機設 備工事/機械駐車設備工事/外構工事/ゴンドラ設備工事/
大規模広告塔等の 設置工事/その他工事/諸経費


地震PML評価 ご提供方法

構造計画研究所では、個別案件のご依頼と大口でのお取引の2パターンで評価業務をお引き受けしています。


1.個別案件のご依頼

物件1件ずつでご発注・評価・ご請求させていただいております。以下のお見積りフォームから物件の概要をお送りいただければ、営業担当者よりお見積りのご連絡をさせていただきます。お見積作成は5営業日程度いただいております。

  お見積りフォーム

納期は、必要資料をお送りいただいてから10営業日~(簡易評価は5営業日~)となります。


2.定期的なご依頼や多数の物件をまとめてのご依頼

定期的に評価のご依頼をいただくケースにも対応しております。月単位での精算など、お取引の手間を少なくする方法をご提案します。また、多数の物件をまとめてご依頼されたい場合なども適宜対応させていただいております。まずは下記よりお問い合わせください。担当営業より折り返しご連絡をさせていただきます。

  お問い合わせフォーム

(問い合わせフォームご入力例)

  • お問い合わせ内容:解析コンサルティングサービスに関して
  • ご質問・お問い合わせ内容詳細:PML評価 定期的な取引について、10件まとめて見積希望 など

PML評価|構造計画研究所の強み

1.評価実績

構造計画研究所では、評定機関、PM会社、不動産事業者、設計事務所、ゼネコンと幅広いお客様から、これまでに3,000件以上のPML評価業務を受託しています。

過去の評価において評価対象とした建物

  • 用途 :物流倉庫/データセンター/共同住宅/店舗/事務所 など多数
  • 設計年:1920年代~現代に至るまで/旧耐震以前、新耐震、新築の建物について評価実績あり


2.技術力

長年にわたる構造設計業務・解析コンサルティング業務の中で蓄積した豊富な経験と独自の技術・ノウハウに裏付けられた高い技術力を有しています。

建築・設計・解析を理解している技術者集団で実施しているため、免震建物や制振建物のような特殊構造物も評価可能です。エネルギー法などのような特殊な構造計算法を用いた設計物件についても、その建物の特性を考慮して評価を行います。

また、他の大手評価機関にも提供実績のある自社開発の地震リスク評価プログラム ricomacastを用いて評価を実施しています。


3.ポートフォリオ対応

建物群を対象としたPML評価(ポートフォリオPML)にも対応しています。ポートフォリオを構成する各建物の個別の地震リスク評価をもとに算出します。こちらの評価のご要望がありましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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