高層RC造煙突の耐震検討支援
平成19年の建築基準法解析に伴い、高さ60mを超える煙突の設計には、指定評価機関による性能評価と大臣認定を受けることが義務付けられ、これまで以上に構造安全性への配慮が求められるようになりました。
弊社では、従来から行っていた超高層建物・免震建物の振動解析経験とRESPシリーズ(建築構造のための非線形振動解析プログラム)の開発・経験をベースに、高層RC造煙突の性能評価支援を行っております。より安全性・信頼性・経済性の高い煙突の設計のために、弊社の解析コンサルティングをご利用ください。
性能評価のための検討項目
基本検討と実施設計
質点系モデルまたは立体モデルにて振動解析を行い、設計クライテリアに対する最大応答値を確認します。基礎・杭・地盤の状況に応じてスウェイ・ロッキングを考慮します。質点系モデルの場合には、曲げによる非線形を適切に評価し、立体モデルの場合には、壁の面外変形を考慮することができます。
詳細モデルによる検討(崩壊形の確認)
詳細モデルにて、質点系モデルの復元力特性の妥当性、開口部周辺等の応力・ひずみ状況の確認を行います。開口周辺の補強の有無・補強方法・補強量を決定します。また、ひび割れの発生状況から、主筋の重ね継手の範囲の妥当性を確認します。
補足検討
内筒・外筒の衝突を考慮した解析、基礎の浮き上がり非線形の考慮、杭の応答変位法による断面検討、内筒・外筒間のクリアランスの検討等を行います。
評定対応
入力地震波の作成(断層モデルによるサイト波の作成・表層地盤モデルによる増幅の考慮)、振動解析一式、部会対応補助、追加検討資料の作成、性能評価資料の作成等により支援いたします。
検討事例のご紹介
質点系モデルによる検討例
質点系モデルによる振動解析結果から、設計クライテリアに対して最大応答値がおさまることを確認します。具体的には、平面保持の仮定に基づき、断面をファイバーでモデル化した基本モデルを作成し、荷重増分解析を行います。荷重増分解析結果を用いて、曲げ非線形トリリニアによる質点系モデルを作成し、振動解析を行い、最大応答値を確認します。
詳細モデルによる検討例(非線形FEMモデルによる開口周辺の応力確認)
非線形FEMの詳細モデルにより、開口部周辺のひずみ・応力の把握を行い、質点系モデルの妥当性と崩壊形を確認します。
補足検討例
内筒と外筒において、完全に一体でないことにより問題が生じないかの確認のため、内筒・外筒の連結解析により衝突モードの確認を行います。
高層RC造煙突の性能評価実績
- 某清掃工場煙突:高さ88.5m、内筒外筒方式、2007年、日本建築センター
- 某ごみ焼却処理施設煙突:高さ98.5m、内筒外筒方式、2008年、日本ERI
- 某清掃工場煙突:高さ59.5、内筒外筒方式、2011年(予定)、日本ERI
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