土木

デジタル画像相関法 (DIC) の土木建築分野への応用

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はじめに

カメラ2台を用いた
3次元DIC計測(概略図)

変位やひずみの計測手法のひとつとして、デジタル画像相関法(Digital Image Correlation、以下DIC)があります。

DICとは、デジタルカメラ等により得られたデジタル画像を用いて変位やひずみを測定する手法です。ひずみゲージ、変位計等の従来手法と比較した主な長所として、以下のものが挙げられます。

  • 広範囲のひずみを得られる
  • ひずみ発生位置が事前にわからなくても問題なく計測できる
  • ひずみゲージが外れるような大変形時のひずみを検出できる
  • 高速度カメラを使えば、衝突等による瞬時の応答を得られる

主に製造業等で用いられている技術ですが、近年では土木・建築分野でも活用が期待されております。

DICの特長(従来手法との比較)

土木・建築分野での応用事例

コンクリートのひび割れ計測

コンクリートのひび割れについては、発生箇所や進展方向を正確に予測することが難しく、ひずみゲージの設置位置を事前に決定することが困難です。また、ひび割れは広範囲に進展するため、ひび割れの面的挙動を把握するためには大量のひずみゲージを設置する必要があります。

そこでDICを活用することにより、広範囲のコンクリートのひずみを取得できるため、ひび割れの発生箇所にかかわらず面的にひび割れ挙動を確認できます。また、カメラの解像度等にも依存しますが、目視で判別できない小さなひび割れの検知も可能です。

爆発による衝撃の影響の計測

爆発により瞬間的に強い衝撃が発生した場合の動的特性は複雑でかつ影響が広範囲にわたるため、従来手法では完全に動的特性を把握することは困難です。特に強い衝撃による大変形が生じた場合は、計測器が外れてしまい計測できない可能性が大きくなります。

そこで高速度カメラを使用したDICにより、瞬時に発生する局所的な損傷の影響を計測することで、爆発の衝撃による瞬間的な面の動的特性を確認することが可能となります。

まとめ

デジタル画像相関法(DIC)により、コンクリートのひび割れ検知や耐爆試験をはじめとした、土木・建築分野において今まで変位やひずみの計測が困難であった様々な場面での計測が可能となります。

土木・建築分野以外の応用事例を含めた情報は、https://dic.kke.co.jp/ に掲載しております。動画でのDICのご紹介もありますので、是非お気軽にアクセスしてみてください。

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