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能登半島地震の被害の可視化(その1) | KKE解析技術者ブログ|構造計画研究所

地震

能登半島地震の被害の可視化(その1)

更新日:

はじめに

年初(2024年1月1日)に石川県能登地方においてMj7.6の地震(能登半島地震)が発生しました。
この地震で犠牲になられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

能登半島地震では、地震動による建物倒壊の他、津波による浸水、土砂災害、液状化、火災等、複数のハザードの発生がしており、様々なWEBサイトで公開(情報発信)されています。

今回は、ローカル環境(自分のPC)にて、被害範囲を確認してみます。

ツールはQGIS(ver. 3.28)を使います。

下準備

QGISはオープンソースの地理情報システムで、GNU General Public License (GPL)でリリースされています。

インストールの詳細は割愛しますが、インストールが完了し、QGISを起動する(もしくは新規プロジェクトの作成)と最初に以下のような画面が表示されます。

まずは地図を表示します。

地図を表示させるには、上記画像の左側にならんでいる「XYZ Tiles」というアイコンを右クリックして「新規接続」を選びます。

すると以下のような画面が表示されます。

URLのところに、配信されている地図タイルのURLを入力します。
ここでは、国土地理院の地理院タイルのうち標準地図を使用しています。

地図タイルは他にもいろいろなものが存在しますが、ご自身で試される場合は、それぞれの利用規約に従ってください。

URLと適当な名前を入力しOKをクリックすると、「XYZ Tiles」に登録した地図が追加されるので、それをダブルクリックします。
すると、世界地図が表示され、移動・拡大することで、以下のような地図が表示できます。

本記事では、この地図をベースマップとして、ハザード情報を重ねていきます。

能登半島地震による土砂災害範囲の確認

いくつかある災害情報の中から、この記事では、土砂災害を取り上げます。

能登半島地震による土砂災害範囲は国土地理院から公開されています。

ここでの土砂災害範囲とは、「空中写真から判読できる斜面崩壊・堆積分布範囲」を指します。また、現地調査は実施しておらず、実際に崩壊等のあった箇所でも表示できていない箇所がありうるようなのでご注意ください。

上記の国土地理院のサイトからgeojson形式のデータを取得し、QGISで表示させます。
(データは地区ごとに分かれていますが、レイヤの色は同色=ピンクに変えています)
下記の画像は輪島市の町野付近を拡大しています。

土砂災害は山間部で目立ちますが、よく見ると、それ以外の場所でも被害が点在しています。

能登半島地震では、道路状況から、緊急車両が被災地に到達するのが困難であることが報道されているかと思いますが、このマップからも状況が想像できます。

例えば、輪島市沿岸の国道249号の一部を拡大したのが以下です。

上記の沿岸部の道路(橙)が国道249号です。
「三ッ子浜」や「中田浜」付近の249号に着目すると、ちょうど道路を土砂災害範囲が覆っていることがわかります。
そのため、車両の通行が困難になっているだろうことが想像できます。

実際、どのような交通状況になっているかは、トヨタ自動車公開の「通れた道マップ」等で確認できます。

記事執筆時点では、前述のエリアは交通規制がかかっているようです。

まとめ

今回は、能登半島地震による土砂災害の範囲をQGISを使って確認してみました。
次回は、地震発生前に想定されていた土砂災害範囲と比較してみようと思います。

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