一般的に汎用FEMソフトウェアではユーザー側で整合の取れた単位系を用いてデータ入力する必要があります。熟練者であれば正しい単位系の組合せが頭に入っていると思いますが、「この単位系だと質量はtonだっけ?kgだっけ?」となってしまう私のような人も少なからずいることを想定して記事を書いています。
基本的なことではありますが、単位系の設定によって正しくない結果を導いてしまう可能性もあるのでしっかり理解しておくことが重要です。(結果を見て「定性的にあり得ない」と分かれば間違いに気づけますが)
構造解析で使用する主な単位は「長さ(L)」「力(F)」「時間(T)」「質量密度(ρ)」があります。このうち例えば、「長さ」「力」「時間」の単位を指定すれば、運動方程式により質量密度の単位系を求めることができます。
【運動方程式】
m・a=F
ρ・L^3・\frac{L}{T^2}=F
①長さ:m、力:N、時間:sの場合
ρ・m^3・\frac{m}{s^2}=N
ρ・m^3・\frac{m}{s^2}=kg・\frac{m}{s^2}
ρ=\frac{kg}{m^3}
②長さ:m、力:kN、時間:sの場合
ρ・m^3・\frac{m}{s^2}=kN
ρ・m^3・\frac{m}{s^2}=ton・\frac{m}{s^2}
ρ=\frac{ton}{m^3}
③長さ:mm、力:N、時間:sの場合
ρ・mm^3・\frac{mm}{s^2}=N
ρ・mm^3・\frac{mm}{s^2}=kg・\frac{m}{s^2}
ρ=\frac{kg}{mm^3}・\frac{m}{mm}
ρ=1000・\frac{kg}{mm^3}
ρ=\frac{ton}{mm^3}
※鋼材やコンクリート等の許容応力は MPa(N/mm^2)で示されることも多く、応力単位が MPaである③は比較的使用頻度が高い単位組合せですが、力(N)がkg・\frac{m}{s^2}であるのに対して、質量密度(ρ)は\frac{ton}{mm^3} であり単位が異なる(m⇔mm、kg⇔ton)ので注意が必要です。