計測の流れ
DIC(デジタル画像相関法)の建設分野への応用について以前ご紹介させていただきましたが、今回は実際の計測の流れについて説明させていただきます。
計測の主な流れは以下の通りとなります。
以下では、計測の事前準備である「計測対象の塗装」「キャリブレーション」について説明させていただきます。
計測対象の塗装
DICの計測原理として、計測対象の表面のランダムなパターンについて、変形発生時に移動した箇所を求めることにより計測対象の変形量を計測しています。したがって、精度の高い計測のためにはランダムパターンが画像で判別しやすくなることが重要となります。そこで、計測対象の表面を以下の条件を満たすようにすることで精度が向上します。
- 計測対象の表面全体にランダムな模様があること
- 計測対象表面のランダムな模様と周囲の色のコントラストが明瞭なこと
この条件を満たすため、まずは計測対象を白く塗り、その後に黒でランダムパターンを塗布します。
キャリブレーション
DICによる3次元の測定を実施するためには、カメラは2台必要となります。このとき、精度確保のために2台のカメラについて以下のパラメータを取得する必要があります。
- カメラの姿勢と光軸中心座標(外部パラメータ)
- 焦点距離・画像中心・スケール(内部パラメータ)
- レンズの歪み
上記パラメータの取得のために、既知の寸法のマーカーが配置されたオブジェクトを2台のカメラを用いて様々な角度・方向から撮影します。この作業を「キャリブレーション」といいます。
まとめ
本項目では主にDICの事前準備について説明させていただきました。少しでもDICの計測について知っていただけると幸いです。
DICの計測について、様々な情報をhttps://dic.kke.co.jp/ に掲載しております。動画でのDICのご紹介もありますので、是非お気軽にアクセスしてみてください。